しかし業務はつづく

なんといえばいいのかこの業界にいていちばん心の奥のところが折れてしまいそうなことがあったりなんかしたのだけれどもそれはもとよりたとえば教えているゼミの学生たちには関係のないことだしそんなことで指導のクオリティを落としていいはずもなくそんなこんなでそろそろ卒論提出の最終局面が近づきつつあるわけでひたすらファイルで送られてくる卒論草稿の添削やら研究室につぎからつぎへと訪ねてくる学生の形式内容の双方におよぶ諸々の相談を受け続ける金曜日になりこの土日は奇跡的なことになにも用件がないので終日蟄居で添削に明け暮れる予定でいるのは最近のスケジュールからしても時間が十分にこれに確保できそうでそればかりはほっとしているけれどもわたしのゼミの場合はひとりの事故も起きないように最終提出期限の前日にはどんなに遅くとも教務に出すようにきつく言い渡してはいるのだがかくいう小生は学科のキョウム委員として文学部の卒論提出の最終日である15日には締め切り時間の16時半より30分早い16時から提出する部屋で立ち番をしながら数秒という単位でぎりぎりに駆け込んでくる学生の姿を現場として目撃し厳格厳正な提出期限の厳守を担保するお役目であっておかげで最終的に盛り上がってきた池袋の講義を本務校の都合で休講せざるをえないのはなんとも残念至極であるばかりかこんな時間的な消耗と心が折れてしまいそうなある種のことに耐えながらもこれをむしろ「力」にして(今井美樹)生きていかなければならないのよ♪とかリズムをつけて口走ったりするのはわれながら無残な気もするが若いころには考えれらないほどある意味では神経が太くというか鈍感になっているのと同時になどといってちょっと思いついたのはやはりさきほどの心が折れる系の話のことでもし小生が研究生活を始めたばかりのころにこのような事態に触れていたならば落胆ばかりかもしかしたら義憤すら感じていたようにも思うのだがその意味では小生もこの業界のベトナムともいうべき状況もいちおうは体験したのだしそういった経験からしていい意味で神経はそれなりにしかるべく鈍くはなっているらしいのだがそれでもやはりかなり来ているのは自分でもことの深刻さについてまだきちんと推し量っていないのかもしれないからででもやはり業務は続くので心が折れている場合ではない。