2011-01-01から1年間の記事一覧

フロイトに公正であること

出版関係の作業をしていると文章の推敲以外に厄介なことがあって、以前引用したデリダのフーコー論「フロイトに公正であること」は『批評空間』に掲載されたものだったのだが、それが青土社の単行本に採録されたので、頁数を修正しなければならず、また訳文…

旧稿の推敲

タイトルの通りの仕事を日夜始めることになったのだが、担当の編集の方の適格な指摘のおかげで自身の文章上の悪癖が数々浮き彫りに。その中にはダッシュの多用が。これは自覚しており、また戦略的な意図をもって使用してきたつもりなのだが、そのダッシュが…

Macに改宗する

昨日の学科会議、教授会で後期のアドミニが再開。ある他学科との交渉事が前期のアドミニの最大の懸案事項であったのだが、少し自慢するとまったく予想通りの展開になる。ベトナム戦争@赤坂での従軍経験の賜物であるなあ。けっこう政治家的な才能があるのか…

帰国直後卒論発表会

という次第で、帰国翌日に吉祥寺で卒論発表会。午後1時から6時まで8人のプレゼンにコメント。かなり良さそうな感じである。これから飲み会だそうだが、その前に研究室でこのエントリー。Freud Museumでの自分へのお土産を研究室の机の上に:明日、明後日と会…

作戦終了

リサーチ最終日の昨日は午後2時くらいまでBL、その後はFreud Museumへ。BLからHampsteadまで歩き、そこから戻る感じでMuseumまで歩くとかなりの運動に。この辺は以前住んでいたところで懐かしい。この日はなかなか湿気があって蒸し暑くあってきた。途中に通…

BLにて

昨日に引き続きBLで書き物系の仕事。メモの打ち込みとかそれに触発されたアイディアの文章化はほとんど済んだので、今日は朝から日本で少々書きあぐねていたロンドンでのResearch projectをほとんど完成させてしまう。すでにトッドはreferenceを送ってくれて…

なんと

Institute of Psychoanalysisでの昨日のリサーチではA.A.BrillとErnest Jonesの往復書簡を1940年代まで読んできたが、格別の収穫はなし。まあBrillというのは、フロイトの最初の英訳者ということで歴史に名を刻む人ではあるが、その翻訳がその後の厳密かつ高…

アーカイヴ的な手応えが若干

リサーチ2日め。今日もMaida ValeのInstitute of Psychoanalysisの図書館へ。BLでかなり読んだJames Strachey関連の手紙がかなりの収穫か。というか読んでいるBoxはErnest Jones関連のもので、その中のStracheyとのやり取りが興味深い。イギリスで最初にフ…

ロンドンは11月の気候

4日にロンドン着。5日からロンドンでリサーチ。Institute of PsychoanalysisはRussell Squareから地下鉄を乗り換えて30分ほど。先週希望するアーカイヴを知らせたメールに返事が来ないまま不安を抱えて来たらその不安が的中。若い女の子系のアーカイヴィ…

成田にて

ロンドンでのリサーチのために成田に到着。新装備のMacBookAirを使用してこのエントリー。出発直前にアドミニ関連で少々トラブルが生じたが、まあ大丈夫だろうか。ほとんど無意味なエントリーですが行ってきます(帰りの便が9.11に空を飛んでいるので少…

ロンドン出張

では、4日から11日までロンドン出張に行ってきます。今回はマック・ブック・エア持参なので、この新兵器でメールなどの対応ができると思います。今日になっていきなりアドミニ関係のトラブルが生じたが、どうにか処理できる模様。向こうにいる間しばらくはこ…

ラカン研究

かなり前にある原稿を投稿をした『I・R・S・――ジャック・ラカン研究』第8号が出て手元に届く。協会のHPに目次などはアップされていないようだ。以前駒場でやった講演で聞き逃したものが3本活字化されているのでありがたい。たとえば:アラン・ジュラン…

消防団出動

この土日は地元の八幡様のお祭りのための警備とか交通整理のために消防団員として出動する。つまりお仕事は中断。カーキ色の夏制服の着用で、盾の会みたいというかウヨクっぽくってコスプレ的に楽しむ。ジュリエットからメールがあり、彼女が編集するカリフ…

出来事の出来事性

<われわれが冒頭からこれほどまでに幽霊の論理にこだわってきたのは、この論理が、二項的あるいは弁証法的な論理、すなわち(現前する、現在的な、経験的な、生きているあるいは生きていない)事実性と(現前しておらず、規制的あるいは絶対的な)理念性と…

同時性

10月末の狼協会のシムポで制度的な「歴史(=理論)」主義への介入として「同時性」――たとえば『三ギニー』と『共産党宣言』とのそれとか――ということを前景化する成り行きになったのだが、この(非)時間性=歴史性はマルクスを読むデリダのいう非=同時代…

出版関連

もうすぐ次の本が出ます:西部戦線異状あり―第一次世界大戦とイギリス女性作家たち作者: 河内恵子,上田敦子,遠藤不比人,大道千穂,出渕敬子出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2011/08/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 37回この商品を含むブ…

サバちゃん@ロンドン、後期の出演予定

2012年4月からのサバちゃんの行き先についてはいささか迷走してしまったが、最終的にはロンドン大学の某研究所のvisiting research fellowshipにapplyすることにする。そのために2つのreferencesが必要なので、トッドとジュリエットにお願いしたら快諾してく…

どうもご無沙汰しました

ここしばらく吉祥寺方面でアドミニ系のトラブルが続き、立場上大統領補佐官のような役回りで多忙になり、事実上の夏休みが今週からということに。しかしながら、ようやく本来的な仕事を開始することに。以前にずいぶんと愛好したNHKの海外ドラマシリーズ…

こちらでも

ということで、こちらでも掲示板です。いまこそレトリック分析(って「精読」ということです)、つまり文学研究の意義が問われているときです。 日本英文学会関東支部ワークショップ「原子力と文学」 3.11の東日本大震災は、文字どおりに言葉を失う経験であ…

いまこそ文学

本来研究会@国立に出席のはずが、少々無理(吉祥寺に睡眠時間4時間程度の連泊)の果てに激しい咳の風邪を引き週末は寝床に(昨夜から今朝にかけて一気に24時間睡眠をしてしまった・・・でも咳は消えぬ)。Idea of Communismをめぐる議論、ぜひと思いながら…

つぶやき風の付記

あ!こんなことを書いている日ではなかった。今日はフロイトの誕生日だった。先日のエントリーにおける「私たち」といった複数性について念のために蛇足を。これは近代の諸矛盾を考える上でのマルクス(主義)における最重要なプロブレマティークの一つであ…

いま文学やること

なんで文学研究をやっているのか、というナイーヴな疑問にたいして、文学が好きだから、とかナイーヴな答えを出す前に、ちゃんと考えることが必要だし、説明責任なんてイヤな言葉を使いたくないけれども、教場ではこの答えが鮮明になければ学生は見向きもし…

ありがとうございます

国立関係の方々から本をいただく:ジェンダー表象の政治学―ネーション、階級、植民地作者: 中井亜佐子,吉野由利出版社/メーカー: 彩流社発売日: 2011/03/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (3件) を見るありがとうございました…

死の欲動と出来事

『大義を忘れるな』から: バディウがここで見逃しているのは、「死の欲動」とフロイトが名付けているものは、逆説的にもその名前とは正反対の意味を持つこと、この用語〔死の欲動〕によって不死性が精神分析の内部に出現したということである。つまり「死の…

ふたたびお知らせ

ということで: 第21回新自由主義研究会日時:2011年4月17日(日)16:00〜場所:一橋大学国際研究館5F ゼミ室2テクスト:Alan Badiou, "The Idea of Communism"報告者:中山徹 延期していた、「近年のジジェクのコミュニズム論」検証をします。メインのテク…

3. 11以後ということ

先日のRW研と冷戦読書会@国立はまさに3. 11以後にどのような言葉が可能か、ということに尽きると思う。RWのテクスト的な可能性の中に「原発」がありうるなどというと失笑される、そのような場所が「(英)文学」とか呼ばれているわけで、「文学」なるも…

ようやく始動

恥ずかしげもなくナイーヴなことをいえば、あの震災と津波の後で文字通りに言葉を失ってしまい、かなり呆然と3月後半を無為に過ごしてしまったが、そろそろ学期も始まるし、仕事をしなくてはいけない。職場の学科の紀要が今年は執筆者が少なくずいぶんと薄…

授業開始時期

いま学内で授業開始時期について複数の議論がメールで流れている。最終的な意思決定がもうすぐのようだが。私の意見は少なくとも1月は遅らせるべきだと思う。危機管理というイヤな言葉があるが、最悪の事態を考えてという意味で。原発の報道に関しても、今日…

金八メール

昨日は卒業式の代わりで卒業証書を事務的に渡すことになったので、こういう場合の必須アイテムとして吉祥寺へ。夥しく写真撮影。思わず「グラドルみたいに前傾姿勢になろうか?」とか「撮影はいちおう事務所通してくれないと困るんだよね」とかいつものよう…

The Criterion

イギリス「戦間期」研究の第1級の資料として購入を考えていたこの雑誌の一揃い18巻を現実に購入し、研究室に届いた現物を眺めてみる。前任の都立大学の人文学部の書庫にはあったので時々参照はしていたが。Eliotの同時代への目配りというかその独特のeditors…