バルジ大作戦はまだか

金土と大学の箱根寮で卒論発表会合宿を敢行。どうも自分の学生時代のゼミの体験が教員としてのゼミの感覚を決定するようで、小生の三田時代の指導教授である安東先生は「夏休みは自分で勉強しなさい」という放任主義であって、若い者が大挙して教員と白樺湖辺りのペンションなぞに出かけるその当時に風潮に極めて批判的であったから、そのせいで小生も大学のゼミ合宿というものがいかがわしく感じてしかたがない。という次第であったが、今回は学生の提案にしたがってやってみてそれなりの意味があったとか思う。金曜日は小生が吉祥寺で午後に業務があり、また3年生の多くも吉祥寺で就活関連のセミナーなぞがあったので、初日はただ到着&夕食&宴会で翌日が昼を挟んで勉強という歪なイヴェントになったが、結果的にはこのほうがよかったかもしれない。初日の宴会では呑める面々がJINROのたぶん1.5リットルくらいあるペットボトルを用意していて、それをウーロン茶で割りながらがんがん飛ばしていたが、翌日の朝食が7:30だしメイン・イヴェントもその後に控えているので、1:30前には試合終了となり小生も5時間睡眠を確保できた。4年生が自身のアーギュメントをA4版のレジュメにしたがいプレゼンし、担当の3年生がそれに質問をして質疑応答をした後で小生がまとめるという形式で、1組40分くらいで、午前中は4組、午後は3組という按配で無事終了。特に3年生はこの大学で卒論を書くという作業を書式も含めてかなり体験できたみたいだった。4年生の卒論もトピックやアプローチがそれぞれで、その意味でも参考になったようだった。またやはり私大でゼミなどを受け持つとこの種のイヴェントは必要とされているようで、その延長で3月初旬には4年生が拙宅に食事に来ることになった。箱根寮自体は芦ノ湖を一望できるところにあるが、周辺の風景全体は荒涼たる雪景色であって風情としては心中あるいは不倫旅行系という感じが濃厚だった(たとえばカラオケでテレサ・テンなぞを歌うと出てくる映像にピッタリな感じだ)。

この合宿の前に吉祥寺、三田、池袋の成績を全部出し、またシラバス入力も終わっているので前年度の業務は事実上終了。しかし合宿に出かける直前にキョーム系に不測の事態があったりもして頭が痛い。それに今週はまる1週間冬の風物詩的業務で終わる。またその次の週の半ばから1週間弱はロンドン遠征がある。このロンドン滞在中に頭をBritish psychoanalysisでいっぱいにしなくてはならない。そうでないとほんとうにダメな人間になりそうな最近である。日常の業務を忌み嫌いながらもいつのまにかその知的水準に埋没していく一種の防衛機制ほど恐ろしいものはない。今回は医学史の世界での国内外でのエースである某S先生の定宿でもあるHotel Russellに予約をする。1年に1回はこのRussell Square辺りのBloomsburyでうろうろしていないと仕事が成り立たないだけでなく、気分もいけなくなってきたが、今回はロンドンはたった5泊なので、来年度はもっと長期間じっくりとリサーチしなくてはならない。

http://www.londonrussellhotel.co.uk/

ここしばらくの戦局を一気に挽回すべく立案中のバルジ大作戦はロンドンからの帰国後になるだろう。