メディアと無意識
ここ数日吉祥寺に宿泊し研究室で仕事をする日々だが、昨晩は大学前のなにわ料理屋のカウンターへひとりでぶらりと。以前H比野さんのブログで小生の否定的な発言が引用されたが、今回は少々印象というか意見を変えた。うなぎの豆腐煮とか鱧の梅しそ揚げなどなかなかだった。ただし岩牡蠣はいまひとつ。お刺身系に構造的な脆弱性を抱えているのか?前夜は同じく大学前の寿司屋へ。ここもなかなかに立派(麻布に本店がある店である)。両者とも1万円以内の勘定。件のイタリアンを含めてこの大学、場所的には享楽的なところなのか?それいがいは強迫神経症的なところであるが、それもじつは矛盾していないのだろう。
昨日から木曜の準備のためもあり『革命と反復』の再読を開始。この本の射程というのはほとんどいまだ捕捉されていないよな。まさに(以下に毒を吐くように)業界の知性が19世紀化しつつあるなか、この途方もない狂気じみた洞察に貫かれた「19世紀」論はそれゆえにあらたな読解不能性を帯ってしまったと「歴史化」してみるか。この本、ド・マンが絶賛していることなども思い出したり。70年代にイエールって、批評理論化された「イエール学派」などはともかく、一部で鋭く凄いところだったのだなあ、やっぱり。
Revolution and Repetition: Marx-Hugo-Balzac (Quantum Books)
- 作者: Jeffrey Mehlman
- 出版社/メーカー: Univ of California Pr
- 発売日: 1978/05/01
- メディア: ペーパーバック
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今日は朝の10時前には研究室に到着しまずは遅れに遅れた英語関連の「授業計画」を。懸念していた件はじつはそれほどのこともなくいちおう安堵。その後は午後からメールマンの再読を継続しようかと思ったが、駒場のイヴェントの一つが今日であることにいきなり気づく。いちおう予習をと思い以下の本を急いで再読:
メディアと無意識―「夢語りの場」の探求― [シリーズ生きる思想10]
- 作者: 新宮一成
- 出版社/メーカー: 弘文堂
- 発売日: 2007/07/31
- メディア: 単行本
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非常にすぐれた本であると思う。精神分析への基本的には19世紀(プチ)ブル的な批判を「ブルジョワ・リベラリズム」を批判しながら(自己言及的に)なさっている向きがいまだ多いなかで、こういう本は精神分析への誤解を解くひとつの契機にはなるのではないか、とか思う。