ようやく始動

恥ずかしげもなくナイーヴなことをいえば、あの震災と津波の後で文字通りに言葉を失ってしまい、かなり呆然と3月後半を無為に過ごしてしまったが、そろそろ学期も始まるし、仕事をしなくてはいけない。

職場の学科の紀要が今年は執筆者が少なくずいぶんと薄くなりそうなので、紀要の編集委員というお役目上、急遽自分も書くことにした。研究会とか学会とかで口頭発表したが活字化していないファイルを論文化する作業で、ここ数日で2本くらい。リハビリになるか。

また土曜日には国立でRW研と冷戦読書会。これにも参加。ここでも宣伝を:

レイモンド・ウィリアムズ研究会

日時:2011年4月9日(土)13:00〜

場所:一橋大学国際研究館5階 ゼミ室2

テクスト:Start Hall, E. P. Thompson, Raymond Williams eds. May Day Manifesto (1967)



1967年のメーデーに上記の三人が編集したMay Day Manifestoを読みます。この鍵となる時代に、ニューレフトはどのような介入をしようとしたのか。またこのマニフェストを読むことによって、この時代の問題が浮き彫りになり、現在への系譜学ともなるでしょう。



テクストはペンギン版ではなく最初に出たパンフレット版です。お持ちでない方は河野まで連絡ください。当日は、研究会のコアメンバーが分担報告します。

「河野」とはid:shintakさんのことです、念のため。わたしも分担報告の予定。

第20回新自由主義研究会〜震災を考える〜

日時:2011年4月9日(土)16:00〜

場所:一橋大学国際研究館5階 ゼミ室2



今回の震災とその復興において、新自由主義がどのような役割を果たすのか、あるいは、どのような役割を果たさないようにすべきか、今回の大災害が、われわれにとっての自由、社会、文化、権力、市場といったものを再検討する大きな契機になるであろうとき、われわれはなにを、どのように考えるべきか、さらに、良いのか悪いのか、ちょうど前回のこの回が、Naomi KleinのThe Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalismを読む回だったわけですが、その問題を、実際の震災のあとどのように考えるのか等がテーマとなると思います。

後者に関しては、ナイーヴにも言葉を失った立場から、言葉を見出そうという感じになるか。

元同僚から次の本を頂戴する:

五大湖の夏

五大湖の夏

このテクストの価値、アメ文的な無知からほとんど理解していなかったのだが、元同僚@南大沢の仕事に関して現同僚@吉祥寺のアメリカ文学の専門家から、このテクストを出版する出版社/者の慧眼と見識の素晴らしさについて話をしばし伺う。なるほど。

「訳者あとがき」を読んでも担当の編集者の慧眼ぶりについて書かれている。ネットで未知谷について調べたら、編集のお一人が某大手の出版社をお辞めになって立ち上げた会社のようで、出版のセレクションを見ると確かにという感じである。こういう会社でこういう仕事をしたくなってきた。元気が出てきたか。