新年度のいろいろ

新年度開始の前日は教科書プロジェクト@三田。板倉厳一郎さんの現代イギリス文化への造詣の深さに一同圧倒される。20世紀後半から現代までのイギリス文化史の教科書という企画においてじつに有力な援軍を得たというか、彼が参謀になるべきだろう。小生個人は「イギリス好き」と称すことができる気がしていたが、まったくもって中途半端もいいところ。ただ次のサバティカルでもイギリスを選ぶことになるが、そのための画策をそろそろしなくては。要するに英語でもpublicationを増やしていかなくてはならない。

4月1日はTOEFLによるプレイスメント・テストの実施。11:00から17:00までの重労働。じつに細かい点に留意しなければならないのだが、これまでに経験がある方々のご協力というか完全に「おんぶにだっこ」状態でなんとか。終了後はH比野さんからご依頼されていたものの完全に失念していたコール関連の仕事。使用する教科書の教師用マニュアルにありえる間違いを探すのだが、小生の担当箇所には見つからず。その後は今年度の主任であるT辺先生といろいろと打ち合わせなど。2年生の演習のクラス分けのことなど。その後は『履修要綱』を熟読して予習。あした英米文学科のガイダンスで履修関連の説明をしなくてはならないので。翌日は9:30からガイダンスがあるので、この日は吉祥寺に宿泊。夕食は久々に寿司。貝類が美味。ぬる燗2合程度でかなり酩酊。弱くなったものだがless expensiveで大いに結構。ホテルでは「ばたんきゅう」。

4月2日は9:30から文学部全体の教務ガイダンスに出席。自分の勉強のためにも。今年はいわゆる「歩留まり」が予想以上に良くて定員をかなり超えてしまったので、ホールは満員。教員は最後尾のパイプ椅子。11:00からの学科のガイダンスでは小生が司会。主任の挨拶、各教員の挨拶のあと、小生が履修関連の説明。例年のやり方を知らずかなりの失態(冷や汗)。その場のT辺先生、M岡先生、H比野さんにフォロウしていただく。ありがとうございました。配布を忘れていた書類を配布している間にH比野さんに辞書の使い方の説明をしてもらう。じつに熱心かつ懇切なご説明で学生にかなりimpressしただろう。サバティカルから帰ってきたイギリス人の同僚と始めて話す(じつは人事の際の面接で「英会話」はあったのだが)。その後学科会議。その後は教授会。

10月半ばのペンシルベニア遠征のヒコーキ代が仮に向こうででなくても、吉祥寺で出る事を知る。また11月のJuliet Flower MacCannell教授のワークショップの費用も吉祥寺でいくらかは出る模様。wine receptionはお一人2千円くらいの会費を頂戴することになるか。MacCannell教授とはすでにメールでやり取りを始める。英(米)文学関連の話をかなりディープにpsychoanalysisを援用した形でお話になる模様。そろそろディスカサントを探さなくては。英語のペイパーを読むことに慣れていてしかもpsychoanalysisネタにディープに反応できる方って存外いないことに気づく。帰りの電車でムトウ軍資金で先日購入した次の本でMacCannell教授の論文を読む。クリントンという性的な含意に満ちた大統領をフロイト的な集団心理学とそれと連動するラカンの「対象a」がらみでぐいぐい分析するもの。かなり面白い。この方のものを読み始めなくては。小生のpublicationsも3点ほど送ることになっている。井の頭線で件の論文を熱心に読みながらふと前に視線をやるとなんとなく見覚えのある顔が。向こうもこちらを認知している感じ。たぶん午前中のガイダンスのいた学生の模様。センセイは帰りの電車でもこんなに一生懸命に勉強しているのです(爆睡していなくてよかった)。

Traumatizing Theory (Cultural Studies)

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