国際社会セミナー
表題のとおりの講座を担当しているので「ポストコロニアル」について以下の教科書を上げたあと「オリエンタリズム」の紋切り型として次の映画について金曜の2時限に学生が発表する:
Beginning Theory: An Introduction to Literary and Cultural Theory (Beginnings)
- 作者: Peter Barry
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- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
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この映画のメチャ笑えるオリエンタリズム表象は有名だが、かなり明白なゲイ映画でもある。あからさまな「聖セバスチャン」の殉教の図が引用されているし。
しかし貧しい村での虐殺のあと子供を抱きかかえる兵士の姿(これってほとんどベトナムの米兵)とか、雨あられと降り注ぐ矢というようなあたりかまわぬ物量作戦とか、つまり米軍のイメージがあふれているし、ギリシャの大地がどこか西部劇のそれとも重なってきもする。得体の知れぬ小数の精鋭にビビりまくり、遠くからミサイルを発射しまくる「遠くから殺す」米軍そのものだなあ。
これも学生に言わなければならないが、freedomのためにmysticismとtyrannyと戦うという演説ってどこかで聞いた事がありませんか?という質問がそれ。
ついでにいえばCGを駆使したこの映像、リアルのようであってリアルでないゲームのような感じって、まさに湾岸戦争以来の話であって、ともかくおびただしい自己言及に満ちている。
もう定石とおりだけれでも来週は次の映画でめでたく前期終了:
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追記:学生の発表はなかなか勘所を押さえた良いプレゼンであった。