散歩道の模索

翻訳のペースは徐々にあがり、ものもらいも快方に向かっているので、運動不足の解消に近所を10キロ程度散歩しようと地図を見るが、気持ちの良い散歩コースは5キロ程度しかない。そこで、その5キロを1時間弱で歩いてみる。自宅周辺(菊名付近)はともかくも起伏の激しいところで、5キロしか確保できないというのは文字通り丘陵地の尾根道を選ぶからである。この道は実にすがすがしく、東神奈川あるいは大口辺りからの浜風が直接に海の香りを運んでくる(きれいな海ではないので少々濁った香りだが)。他方、丘陵地の間の谷間の土地は空気がこもりとたんに湿気を帯びはなはだ不快な道となる。そこで地名で言えば富士塚→篠原東→篠原西(と仲手原の間)→篠原台町あたりまでは、数キロ先の神奈川の海あるいは横浜のランドマークタワーなどを遠望しながらの快適な尾根道となるが、白楽駅辺りで六角橋から妙蓮寺に連なる谷間の商店街に出ると途端に空気が濁り人気(じんき)が悪化する不快な道だ。それを我慢して妙蓮寺駅まで歩き菊名池公園を抜け富士塚1丁目の丘陵を斜めに走破し2丁目の自宅を迂回して錦が丘の丘陵を登っては下り菊名駅にいったん出た後それを抜けて篠原北と大豆戸町の境界を走る尾根道にふたたび出るというコースで約1時間強。小生の数少ない自慢は健脚であって、ロンドン(セントラル・ロンドン)もほぼすべて歩きつくしたし、かつてパリに2泊した折も中心部はほとんど歩き通したので、地下鉄のお世話にならなかった。小生の住む富士塚2丁目も完全な山みたいなもので、自宅居間からの眺望はなかなかであって、横浜の花火も直接見えたりもする。海からだいたい4〜5キロにあるこの辺りは丘陵が複雑に連なる地形であって、その合間の谷間には湧水が豊富でかつて沢であったところだが、その丘陵に左右を挟まれた暗く湿ったところは現在は舗装路になっている。篠原の高台に同僚のS河辺先生のご実家のあるそうだが、あの米文学のO橋先生のご自宅は小生のそれと至近距離である。そういえばK端先生のご実家もここと隣接する鶴見の方であった。この辺も起伏が激しく、かつて車で道に迷いカーナビの導くままに自宅に向かっていたら最短距離が鶴見の住宅地を斜めに抜けることになり、その地形の複雑と激しさに苦労したことがある。

追記:マッカネル教授からthe terrible earthquake in Tokyoがあったがお前と家族は大丈夫か?というメールが来る。北米での報道をチェックしていなかったが少々大げさなことになっているのか。そろそろ秋からの北米方面作戦がリアリティを帯びてくる。すでに補給線はかなり伸びているのだが、乗り切れるか?