目前に迫る後期

過酷なるロードジムということで今日も昼過ぎから出勤。しかし後期の講義やら授業がベルリンに迫るソヴィエト軍のように真近にあるのでその準備もそろそろ。後期のコール教室のコーディネータの仕事の大半は有能なる同僚のG田さんにやってもらったのでよかったが、特に「精神分析と(いう)文学」という超ベタなテーマで前期からやってきた2年生用の「基礎ゼミ」の後期(応用・実用編)についてどうにか方針が決まる(今頃かよ)。いろいろ考えた末にいきなりテクストの分析に入るのは無理なので、休み明けのリハビリも兼ねて次の本の内容を数回のレクチャーで話をし、やはり英文科なのでディケンズなりコンラッドを翻訳でいいから読んでもらい、それを題材に後期を凌ぐことに:

精神分析と物語 (松柏社叢書―言語科学の冒険)

精神分析と物語 (松柏社叢書―言語科学の冒険)

どうも吉祥寺の英文科に来て以来南大沢とはかなり趣が異なる「当世英文科学生気質」にある意味衝撃を受けながら、一方でゼミの応募者の数を定員以上にすることで学科内での発言権の確保とかいう政治的戦略も視野に入れ、つまりは『ベッカムに恋して』あたりを題材にというがごとき――内容は落としてはいないが――「低い敷居」ということをついつい念頭に置いていたのだが、しかしやはり「英文科」を看板にしている以上は『大いなる遺産』なり『闇の奥』を翻訳であっても通読してもらわないと困るという風に考えを変えないといけないだろうし、結構学生諸君にはしかるべき嗅覚はあるので存外良かったりするかもしれない(昨年の卒論ゼミで『ダロウェイ』を読んだら、打率は3割だったけれども・・・)。それに来年は「英文学史」を持つのだし・・・。

「シルバーウィーク」は三田、名古屋、国立における研究会への参加、箱根に1泊、残りは子供の試合の応援、書きあぐねている論文の事実上の脱稿に費やされるだろう。

数年後のニンジンについてはInstitute of English Studiesのvisiting fellowという手もあるのだよなあ。こちらは事実上コネは今のところなしなので、早めにアプライしてみて様子を見るということもアリだとか妄想。今回のプロジェクトでは前回にはあまり活用できなかった、この研究所を大いに活用しなくてはならないだろうから、やはりロンドンしかないだろうか:http://www.psychoanalysis.org.uk/frontpage.htm

この研究所にはvisiting fellowというような形のaffiliationはないのだろうなあ。ちょっとメールしてみようか。