閑話休題

意味不明のタイトルですが、ようやくどうにか本来の仕事に集中できつつある感じに。しかし先日の6日は急に発熱し終日蟄居。『レイモンド・ウィリアムズ研究』の合評会を欠席。残念至極。この点に関してはid:shintakさんにすでに詳しい情報が。やはり「経験」って一語大きいな。「RWってどこがエライのよ!」ってどこかで面罵されたことがありますが(笑)、やはり偉いのですよ、やっぱり。

こうしてしばらく家にいると本来の春休みというものを思い出す。

ただ6日の直前の5日には、吉祥寺のプロジェクトで中野正昭さんをお呼びして「古川ロッパアメリカ」という題目で極めて刺激的なお話をいただく。ここで下手に要約できるような内容ではないが(といいながら要約すると)、特に興味深かったのは、ロッパの表象戦略というのが昭和11年くらいの(つまりは1930年代は戦間期の)ごく例外的であった都市部の中産階級に関して、同時代の北米の映画を引用しながらこの階級の生活様式(というよりはモラル)を先駆的に形成しようとしたという点に見ることができるということで、さらに注目すべきは、その脈絡で「恐妻家」というカテゴリーが「発明」されたという点で、そこには新たなseparate spheresというかdomestic sphere拉致監禁された「戦間期」 版の「ヒステリー」なるものへの集団的な幻想とも称すべき家父長的なpathologizingを読むことができるらしいという視点であった。少なくともロッパの映像表象は戦後のたとえばクレージーキャットあるいは社長漫遊記的なそれをはるかに先駆けるものがあるというか、そのように語ること自体わたしがロッパについて甚だしいアナクロニズムに陥っていたらしい。

しかし中野さんの話に興奮しすぎて寒気がするのに吉祥寺で飲んだのが運のつきであったらしい。本来この程度なら平気であるはずなのに。おかげでここ数日1滴も飲んでいない(というか丸一日食事をせず)。

そんな日々、同じく吉祥寺のプロジェクトでブリリアントなお話をいただいたO智さん@国立方面からこの時期一服の清涼剤的な秀逸なサイトを教えてもらう。これは複数の意味で笑えるだけでなく、けっこうマジな感じがあるのが余計に面白い:

http://kyoko-np.net/2010102601.html