そろそろロンドンに出発

という次第でして、4月1日に出発なのですが、借りるフラットの大家さんとお会いする都合上、ロンドンに午前中に到着する必要があり、成田を昼にヒースローに午後4時頃着くいつも使っている便ではだめで、羽田を午前1時(事実上3月31日の深夜)に出て、フランクフルト経由でヒースローに午前8時に着く便を初めて使うことになる。つまり明日の夜には出発です。

前も申したように滞在先は

The Centre for the History of Psychological Disciplines, The Department of Clinical, Educational, and Health Psychology, University College London

という心理学に関する歴史系の研究所ということになります。特に戦間期British psychoanalysisの女性分析家のテクストをたくさん読んでくるつもりなのですが、日本でお約束した仕事などもあり、4月一杯は本来のプロジェクトには着手できない感じですね。5月にはソウルでロレンス関連の学会があってペーパーを読むことになったいるので、まずはその準備をロンドンですることになります。

この研究所のdirectorであるSonuさんはかつてロンドンに滞在していたときから旧知の方なのですが、この方が非常に厳格な実証的な歴史家で、かつユングの心理学に関する世界的な権威でもあるので、だいぶこれまで自分がやってきたこととは違った刺激と情報がもらえそうであり、かつこの研究所と密接な関係がある同じくUCLのPychoanalysis Centreはイギリス/ロンドンの精神分析研究(理論、臨床、歴史)のメッカみたいなところなので、情報量はほとんど溺れるほどあるだろうなあ。

というように在外の準備で頭が事務関係で鈍麻しているときにご献本が:

モダニズムの南部的瞬間

モダニズムの南部的瞬間

著者の方とはよくお話をし、ご本の内容は分かった気になっているのですが、これはロンドンで拝読します。いま「冷戦」と「性/暴力」みたいなアメリカ文学関係の論文を書いているので、とても参考になりそうです。頂きましてありがとうございます。

またお知り合いからご献本が:

小説的思考のススメ: 「気になる部分」だらけの日本文学

小説的思考のススメ: 「気になる部分」だらけの日本文学

この著者の特徴は、「あ、これって前から言いたかったのだけど、先に言われちゃった」みたいな気持ちに読者をさせてしまう芸にあると思う。ところが実際はこの著者の言うことを言える読者ってほとんどいないわけで、それなのにそんな気分にさせてしまうところがやはり芸なのである。拝読します。

吉祥寺はガバナンスということに4月からなり、財閥系の「改革」の嵐になる模様で、そんな時に1年留守にすることで、同僚の中には軽く怨嗟の気持ちなどもある様子なのですが(こわっ)、思えばかつての南大沢に着任が1998年、ロンドンでの在外が2002年から03年、帰ってきたらすぐに石原改革だったのですが、今回の吉祥寺では着任が2008年、ロンドンでの在外が2012年から03年、つまり10年周期の同じことの反復で、なんというか感無量。あの時と一緒で、研究者としては至福の1年の後で軽く地獄が待っているというのも繰り返すような可能性が濃厚であるなあ。ではこの周期からすると2018年になにかあるのか・・・ずいぶん先ですね。