今日は晴れの週末

金曜の昨日は9:30からBLという定番。件のKleinの論文とHelene Deutschの論文も。Kleinのpre-genital castrationという概念は定義上anatomical difference between the sexesを前提にしないというか、フロイト的な去勢を前倒しにするといよりは事実上はかなりの程度に無効にするものだと思う。したがってこの論文にはthe girl as well as the boyというような表現が頻出する。それに比べるとHelene Deutschの論文はFerencziをしばしば参照しながら途方もないmeta-biological speculationへと暴走する感じ。Kleinにはこのbiologismが希薄であって、Strachey夫妻が評価したのもその点であった訳で、それはRiviereも一緒であり、これはBrtitish psychoanalysisの一つの特徴であったと言ってもよいと思う。あとこちらに来てから自分がErnest Jonesのテクストをきちんと読んでいないことを痛感している。彼をinstitutionalisationという以外の点からも再評価する必要がありそうだ。ただDeutsch論文の女性の懐妊状態がpre-genital phantasy of introjectionの反復という説は面白い。つまり母の子宮内のpenisをintrojectした結果のchildという幻想ということで、なるほど。ただこれもToddが怒り狂いそうなメタ生物学だよね。

やっとUCLの無線LANに繋がるようになったので、UCLの教員用のcommon roomで帰宅前に一休み。ここにはパブがあって伝統的なbitter(銘柄は失念)を出すのでなかなかに快適。夕食はこちらでハマったチーズ&ワイン。せっかくイギリスなのでチェダーの熟成したやつとボルドー。前者は300グラムで2.8ポンド。後者は13ポンド。両者とも大正解。とくにこちらでは13ポンドだとfine wineの部類となる。

まえのロンドン滞在では土日返上で勉強していたが、それだと2ヶ月くらいでへたばってきて、鬱っぽくなってくることを体験。今回のように一人暮らしで鬱はかなりヤバいので、今回は土曜日は晴れたらロンドンを歩くことにする。日曜は完全に休養に。今日はBloomsburyからTottenham Court Roadを横断してBBCを拝み、その後はMaryleboneを少々徘徊し後はMayfair方面に行きしばし徘徊、それからSt. James StreetからPall Mallを経由してTrafalger Squareを通過し、後はCovent Gardenをまたも徘徊したあとBloomsburyに帰還というコース。本当はVictoria and Albertまで歩こうかと思ったけれどもこのコースはあまりよくないことに気がつくのでやめた。

T尻さん@駒場からメール。リーズのベケット学会のあとでロンドンに1泊する由。30日にお会いすることに。初お客さんである。