今日もofficeで

今日も10:00前からofficeでお仕事。Melanie Klein in Berlinをどうにか読了。とくにAlixと遭遇していた時期にKleinが分析していたErnaをめぐる詳細な議論には様々なヒントが(この症例はKleinがその後何度も回帰しては理論的な刷新をしていったもの)。基本的にはこの本、1932年に書籍化されたテクスト、1925年のロンドン・レクチャーの生原稿、分析時のメモ(後者2つは小生が10年前にお世話になったWellcomeの図書館にある)を綿密に比較検討をして、また最先端のその後の理論からそれらを読解しながら、Klein理論が立ち上がってくる現場を、その萌芽的な段階の可能性と限界を読み切ったもので、なかなか凄い本。臨床に本当に関心がある向きには決定的なテクストであるだろう。その分小生にはa little bit too technicalかもしれないが、まあGrosskurth的な記述の欠陥を知ることができて有益だったし、なによりもベルリン時代のKleinの臨床的体験を鮮明に知ることができたのはよかった(小生が外堀から攻めて推測していたことが間違っていないことわかったし、この辺の経験は知的にスリリングだ)。

BLの担当者とメールで連絡がとれて、明日からAlix/Jamesのarchiveを攻めることに。まずは1926年のある時期の手紙。および、Alixと母親との手紙を読むことになる。いまのmaterialでもかなりのnarrativeを綴ることはできるが、ここでアーカイヴ的な発見があれば言うことはない(BossのSonuさんは骨の髄までhistorianなのでこれがないと許してくれないだろう)。

そういえば昨日、同じく今年が在外の同僚@吉祥寺からメールが来る。イタリアの学会で発表をされた後で、いまはウイーンにいらっしゃる由。フロイトのフラットの写真を送ってくださる。日本風にいうと7LDKの広さという(不動産が大好きとご本人がそのメールでおっしゃていた(笑)。たしかにその通りでしょう)。確かにフロイトは6人の子持ちだものなあ。ロンドンのFreud Museumにはロンドンに来るたびにお参りするが、ウイーンのほうも一度は行かないとなあ。イタリアのアメ文系の学会、日本人が結構発表している。吉祥寺は「国際的に競争力のある大学」がガバナンスの眼目だそうだから、これからは海外で発表をしたり、日本で国際会議を企画したりして、頑張らないといけないなあ。国立方面の知的洗練とエネルギを見習わないといけない。そのためには妙なアドミニに巻き込まれないことが肝心。その辺は逃げまくるぞ(笑)。

ロンドンは天気は回復してきた模様。この前の日曜日にCentral Londonの半分位を歩く。やはりこの街は肌に合うなあ。