書く前のじたばたはやめる

昨日BLで、Work in Progress以降にあらたに見つけたネタをチェックしてみて、ともかく書きながら考えを整理した方が得策と判断。ということで、今日は9:30から、かなり余裕があるタイミングだが、モントリオール方面作戦の原稿を書き始める。いつも書く前にじたばたして時間を浪費するから、それを避ける意味でも。やはり読みながら考えるのと書きながら考えるのではまったく違うものであって、後者の方が本当の思考であり、そのギャップがあるからこそ書き出す前にそれをジャンプするのに逡巡して(それには命がけの飛躍とまではいわないが、かなりの知力と体力が必要だと思う)じたばたするのだろうと思う。これは毎回数限りなく繰り返してきた経験である。とりあえず最初のパラグラフだけでも書き始めることが大事だが、その最初のパラグラフが大変で、そこをあまり凝った表現にしようとすると無用に苦しむことになるので、口頭発表の原稿ではごく淡白に書き始める。これまでの経験では、書く前よりの想定と予想よりも、書いた方が議論がずっと深く豊かになる。

Work in Progressの読み原稿は、1時間弱の分量だったので(来週やって、といわれてよく書いたものだ)、それを20分程度に圧縮して、かつあらたなネタを投入して、narrative strategyをかなり改良しなくてはいけない。このmission impossibleをpossibleにするのが今回の仕事である。それに今回はハンドアウトなしの読み原稿なので(以前は読み原稿の大部のコピーを配布したので、かなり凝った文語的なシンタックスとか表現とかレトリックを使えたが、モントリオールではそれはある程度は禁欲しなければならないなあ)その分の工夫が必要だ。また、たとえばブロック・クオテイションで論じたところを要約で論じることになるので、まあどうなるか。そういう次第で、今日は9:30から16:30までで3つのパラグラフを作る。書いている最中の小生の集中力は自分でも言うのはなんだがかなりのものだと思う。そのせいかその段階(パラグラフ3つ)で頭が飽和状態なので、いまはUCLのacademic staff用のcommon roomでCarlingの1パイントを飲みながらこのエントリー(ロンドンは今日はかなり蒸し暑い、といいながら梅雨時の東京と比べたら怒られそうな話だ。今日は半ズボン、半袖ポロシャツでちょうど良いが、BLは冷房が効きすぎてサマーセータを持参している)。

吉祥寺からはいくつかのメールが届き、なんだかかなりの感じが伝わってくる。人によってニュアンスと悲観度はちがうが。いずれにしてもじつに困ったものだ。