そうこうしているうちに休養が奏功した

昨日の日曜日はUCLでネットにつないだ後でちょっと歩こうかと思ったけれども、どんどん黒い雲が出てきて風が冷たくなってきて、かなりひどい腹痛の後でちょっと体力の減退も感じたので、フラットに帰って日曜風の怠惰なかなり早めの食事にする。腹痛のこともあり軽くシャンパン&ワイン&パン&チーズ&野菜をボイルしたもの(って軽くないか)。イギリスの野菜が美味しいことをかなり実感できたことはいいことだ。そのうちに野菜の煮物でも作るか。Japan Centreでこんにゃくを買ってくればできるなあ。醤油と酒とみりんとそば汁をブレンドすればかなり美味しくなるはず。ただイギリスの鶏肉なんだか大きな切り身で、あれを包丁で切るとなると大変そうだ。フラットの包丁ぜんぜん切れない。この前にShaftesbury Avenueになんだか包丁の専門店みたいなところがあったのでひとつ買ってみるか。冬場は一人鍋の予定。そうこうしていると夕方になり急に日が出て見事な夕焼け。フラットの前の2つのパブには人だかりができてみな気持ちの良い風を楽しみ愉快に歓談しながらの飲酒。悔しくなってきたので小生もシャンパングラスを手にしてバルコニーで彼らを眼下に睥睨しながらざまあみやがれと負け惜しみ。ふとこういうときに「狭斜の巷を下に見て」などという一高寮歌が思い浮かぶ小生の感性は救いがたくロートル(ってこの表現からして古い)。夜はいっさいの知的仕事を放棄してラフロイグのロックを3杯ほど。とてつもなく邪悪な妄想に最近慄然とすることが多く、やはり魂の浄化が必要だと痛感し、近所の古本屋で欽定訳聖書を購入しすこしずつ寝床で読むようにしている(ウソ)。

今日の月曜日は朝から雨模様。2日の完全休養(といっても土曜日はあっぱれ歩兵根性の1日であったのだが)がそうこうしているうちに奏功したのか、7時頃にすっきり起床。頭も体もすっきりしている。朝食をゆっくりとり後片付けなどをした後にofficeにて9時半からお仕事。モントリオール作戦用の原稿の続き。じつは休んでいるうちにもいろいろとnarrative strategyを考えていて、そこで複数の戦略を候補に挙げておいたのだが、そのうちの1つの路線でともかく前に進もうとofficeのDELLのdesk topでごっつめのキーボードを叩き始める。すると昼前に峠が靄がかかりながらもはっきりと見えてきて、15:00頃にはもはや峠を背に目標地点を視界に確保。これで基本的な結構はできたはず。結構なことである。明日もofficeで仕事をし、ともかく最終目標地点まで行ってしまおう。そうしていちおう一貫したnarrativeを完成した後に微調整に微調整を重ねて、新ネタのおいしいdetailsとかarchiveで仕入れたネタをどれだけどん欲に盛り込めるか、文章のスリム化をし、その隙間にそれらを挿入すべく推敲に次ぐ推敲を遂行しよう。そうこうしているとボスのSonuさんからabstractを送れとの指示がメールで来る。ちょうど仕事の切れ間であったので1時間で書いて送信する。

ときどき研究所で会って立ち話をするStephanieが今日はたまたま小生とofficeをshare。世間話をしながら仕事をしていたのだが、小生が18:00くらいに仕事に区切りが完全についたので、帰り際に、頑張っているね、みたいに話しかけると彼女もちょっと一区切りのときなのか、30分ほどおしゃべり。彼女も共同プロジェクト関係でプレゼンがありその追い込みでパニックとのこと。小生もモントリオールのconferenceでpaperを読むのでその準備をしていると話す。彼女、非常に熱心にパワポを使えと薦めてくれる。全然慣れていないので今回はむずかしいと言うと、自分は大好きなので今度機会を見て使い方を教えてくれるとのこと。ついでにお前の英語のアクセントはほとんど問題なくfluent enoughであるがプレゼンとなると話は別なので、ただpaperを読むだけでも練習が必要なら付き合ってくれるとおっしゃる。とても親切で感動する。彼女はドイツの出自だが13年間ロンドンにいるので完全にイギリス語ネイティヴ。小気味の良いきれいなアクセントである。そういえば10年前にWellcomeで親しくなったClaudiaもほとんどimpeccable accentだったなあ(彼女はPhDからイギリスで当時はresearch fellowであったが)。まあ親戚同士みたいな言語だからね、ドイツ語と英語って。日本人だとそうはいかない。しかしたしかにパワポを使えば小生の場合、長い引用を使ってただ「これを見てください」と言いながらプレゼンを続行できるし、みたいなことを言うと、そうよそうよ、使いなさいとおっしゃる。真面目にちょっと練習してみようかなあ。以前からマックを使いながらのパワポのプレゼンってなんだかカッコいいなあと憧れていたから。とくにあのレーザーペンみたいなものを使いたい。ここはひとつStephanieに弟子入りするか。