モントリオールに到着、橋頭堡を

夕方の6時過ぎのBLの便@Heathrowでモントリオールへ。着陸直前の上空からの薄暮のこの街はとても美しい。薄暮と言っても午後8時過ぎなのだが、緯度の関係で。基本的に低い建築が整然と緑と調和しながら並んでいる感じ。

思えばこれで飛行機で地球を一周した勘定になるのかもしれない、などという感慨も。まずは、東京とロンドン間は日常茶飯事である。最初の勤務先@赤坂の数少ない役得というべきか、学生を20名程度引率して8月にボストンのsister collegeへ行ったことがある(約1月ボストンに滞在し、とても楽しかった、暑かったけれども)。そして今度はロンドンからモントリオールへ。つまり、東京→ロンドン→モントリオール/ボストン(時間は一緒)→東京というコースをヒコーキで飛んだことになり、つまり世界一周したことになったのではないか、みたいな感慨を、モントリオールにlandingのとき思いました。

小生のacademic visaゆえに、つまり日本国籍なのにロンドン在住という点をUK出国@Heathrowでもモントリオールでも説明を要求され5分程度。少々めんどくさい。まあともかく、生まれてはじめてカナダに入国し、すぐにタクシーをひろい予約したホテルへ。ホテルではネットにはちゃんとつながるのでこのエントリー。

チェックインは午後9時半過ぎ。まあ独り身の男子の異国でのこの時間のチェックインですから、ちょっとお酒などもと思ってホテルのバーへ。閉店近くなのだが、フランス語なまりの英語をしゃべるちょっとカッコいい中年のバーテンダーと30分ばかりおしゃべりしながらJamesonのダブルロックを2杯。部屋に帰ってちょっと飲みたいということで、このバーでシャルドネ系の冷えた白と、泡系の水のボトルを買う。

ボスのSonuさんからメールが。読み原稿は忙しくて読んでいないけれど、すぐに読むとのこと。どきどき。1920年代前半におけるイギリスの精神分析受容に関して決定的な仕事であるあのBloomsbury/Freudの穴を見つけたと自負はしているのだが(専門が超近いDeeはそれを認めてくれたけれども)、このテーマで決定的な発言権と業績があるこの歴史家(Sonuさん)のコメントはやはりこわいなあ。ちなみに穴をアーカイヴ的に見つけた本はこれ:

Bloomsbury/freud

Bloomsbury/freud

でもこれからまだロンドンにいて勉強できるからでBLとかInstitute of Psychoanalysis所蔵のアーカイヴを読んで、substantialな仕事をして、こんな程度で満足してはいけない。もっと言うとtheory/historyというabstractionに具体的かつ即物的に「だめだし」したいから。これがロンドン・プロジェクトの最大の目標。最良のdeconstructionって、ほとんど気が狂う寸前の究極の常識論であるというのが小生の年来の持論だから。しかしこの持論を実践するのはかなり体力がいるなあ。ひとこと言うとdeconstructionってかなり身体的(physical/material) にきついことですよ。