おっとご無沙汰

先週は2つのイヴェンとがあり疲労困憊。水曜日はボスのreading group。去年から読み継いできたJaspersの最終日。小生は途中参加で精神医学の専門的なことはわからないのだが、たとえばつぎのような箇所で歴史家たちは困惑し、小生はなんだかわかりすぎてしまうということも:

The fact that man senses this finiteness everywhere and cannot be satisfied with any of it points to a hidden possibility in his nature. He must have another root of his Being than that of his finiteness. If he had no pre-knowledge of the unknowledgeable he would lack urge to enquire. But he seeks after Being itself, after the Infinite and the Other. Only this can give him satisfaction.


しかし、この種の陳述が頻出する精神医学の書物に唖然とする気持ちはよくわかる。またしても木村敏の仕事を紹介したりした。ちなみにJaspersは臨床の実践から最終的には離れた。その後はSohoでdinner。さすがボスはワインの選択をはずさない。Jaspersの前にボスと来年度以降のbig projectについてお話。具体的なアドヴァイスもあり、ぜひ実現させたい。

木曜日は、ジュリエット・ミッチェルのゼミ。直前の30分ほどお話。その日が72才の誕生日だそうだがとても元気で世界中を飛び回っている由。一流の人の特徴だと思うが、まずは小生の関心について話を聞き的確な情報と助言、さらに自身の現在の関心について熱く語る。今度のセミナーで小生が、ジョウン・リヴィエールについてプレゼンをし、そのなかでバトラーのリヴィエール読解に触れると伝えてあったら、最近バトラーのアーレントについての講演を聴いて関心したと熱心にバトラーについて語りだす。半分引退して本(シェイクスピア論)の執筆に専念したいのだが多忙で仕方ないともおっしゃる。RWについて質問しようかと思っていたけども失念。しかしこんな本を書いているのだなあ:

WOMEN: THE LONGEST REV

WOMEN: THE LONGEST REV

さっそく購入。この日のゼミは、フロイト→クライン→ラカンという流れのなかでの「女性性」というPhDの学生のプレゼン。とても明晰。ミッチェル先生のコメントもやはり的確。小生の質問、いささか勇み足(残念)。その後は引き続きほかのPhDの学生のWIP。最新の脳科学フロイト(特に『草稿』)との関連性について。フロイトのあのテクストの先駆性という話。やはりミッチェル先生、この辺もかなりフォローしている。いつまでも現役でいる知的エネルギーということを思う。

ボスの命令で来年5回ほどセミナーをやることに。Deeの協力を得て、the Stracheysに的を絞ることに。しかしそれ以前につぎのつぎの木曜日にはジュリエット・ミッチェルゼミでのプレゼン。その2週間後にはウェールズ方面作戦。10月はなかなか残酷な季節に。

金曜日、水木の疲労で使い物にならず。土日で日本語の仕事をどうにかと思ったけれども、一番大きなやつをどうにか形にして関係者に送信。あと2つはまだ。月曜日まで持ち越しだなあ。

日曜日、S木さんに久しぶりにメールを出す必要があり、その経緯で、英文学会でのご発表のファイルをいただく。すぐに拝読、すぐに痺れる。すばらしい。S木さんが最近ド・マン関係の翻訳が相次いでいるので「ド・マンルネッサンスとウィリアムズ」とおっしゃていた意味がよくわかる。鈴木さんの言葉の背後にも累積した言葉があるわけで。日本のある部分が突出しているという印象。だがそれが突出している間は本物ではないわけだが。