卒論添削@ロンドン

ずっと自宅フラットにてゼミの学生の卒論を添削していると在外という気がしない。「在日」のひとも大変そうだ。ロンドンはとても寒いので買い物に出かけるのも億劫でかなり引きこもり鬱系に。1日1食。だって食材がないから。そんな週末であった。

来週はSonuゼミで火曜日にEugene Bleuler(Autistic Undisciplined Thinking in Medicine) を読むことに。これはかなり楽しみ。Sonuさんの言では 'this is one of the wierdest classics in the history of medicine'ということに。やはり心理学の専門家達とのreading groupは勉強(耳学問)になる。歴史的な文脈に精神分析を置いてみる視点というのはやはり貴重である。Toddの本を訳してだいぶ勉強になったし、あの「あとがき」で書いたこともWalesでそういえば実現できた。その火曜日のpublic lectureではThe Foundation of the Unconscious: Schelling, Freud and the Birth of the Modern Psyche (Cambridge University Press, 2011)の著者であるMatt Ffytche氏の講演。これも楽しみ。この方のお話は「精神分析全体主義」conferenceで一度聞いたことがある。Essexの方で、ここもイギリスにおける精神分析研究の中心となっている。ここでやった「革命と精神分析」系のconference行こうかと思っていて疲れてやめてしまった。4月以来の連戦でやはり疲労が蓄積しているのかもしれぬ。これが50歳の現実だろうか。Freud Museum主催の連続レクチャーもお金を払ったが行かなかった...。

Wellcomeのお取り潰しの後にその精神を引き継いだThe Centre for the History of Psychological Disciplines at UCL、もっと日本で宣伝しないといけない。PhDの学生の見聞を拡げようとdirectorのSonuさん、精力的に国際的な人的ネットワークを使って多様なひとを招待し講演を依頼している。小生をMadridに招待してくれたRamonもその一人である。帰国後に日本とのネットワークを築くべく布石を打ったのだがどうなりますか。PhDの学生の多くが近現代におけるpsychologising=pathologisingということをテーマにしている歴史家なのでこの知は日本でも特に貴重なはず。保守政権はこの言説をすでに巧妙に利用しつつある。